• 元幹部が「アルトリスト」予告編を批判
  • 「実際の職場や人物像と乖離」と主張

FTX破綻モチーフのドラマに異論

破綻した仮想通貨取引所FTXの元最高執行責任者(COO)コンスタンス・ワン(Constance Wang)氏は10日、ネットフリックスで配信予定のドラマシリーズ「アルトリスト(原題:The Altruists)」の内容が不正確だと批判した。

同氏は予告編を見て強い嫌悪感を覚えたとしている。自分自身FTXの破綻ですべてを失い、立ち直るのにも長い時間を要したので、その事態を招いた人々を擁護する気は毛頭ないとしつつ、いくつか間違いを指摘している。

まず、メディアは「FTXの破綻はバハマでパーティーに明け暮れていたせいだ」というストーリーを好んで取り上げるが、実際の職場はそうした様子とは遠かったと主張した。これは予告編の一部にパーティーシーンがあることに言及したものとみられる。

ワン氏は、「子会社を除いた中核会社の従業員はピーク時でも200人未満で、同規模の他の取引所は数千人を抱えていた」であり、多くの社員が3年以上にわたって1日16〜18時間働き詰め、睡眠時間さえろくに取れない日々を送っていたとしている。

ドラマの主役のモデルとなっているサム・バンクマン=フリード前CEOについても、昼夜を問わずいつもオフィスでデスクに向かっていたと指摘する格好だ。

ドラマは、サム氏とその元恋人でFTX姉妹会社アラメダ・リサーチの前CEOでもあったキャロライン・エリソン氏との関係を軸にしたものだ。ワン氏は、破綻後に記事を読むまで、二人が交際していたことさえ知らない社員がほとんどだったと述べる。また、サム氏が誰かの肩に腕を回すような姿も見たことがないと続けた。

さらに、エリソン氏の人物像についても異を唱えている。彼女と一緒に仕事をしていたが、予告編にあるような攻撃的な姿は一度も見たことがなく、エリソン氏は物静かで穏やかであり、自分の考えに没頭していることが多い人物だったとしている。

また、FTXの破綻が社員を含め多くの人の人生を破壊したにもかかわらず、ネットフリックスがそれを「ラブストーリー」として描くことを疑問視している。

関連記事:ネットフリックス、FTX破綻を描く新作ドラマ「アルトリスト」の予告編公開

Netflixは10月8日、FTX破綻を描く新作ドラマ「アルトリスト」の予告編を公開した。FTXの元CEO、サム・バンクマン=フリード氏とキャロライン・エリソンの関係を軸にした全8話で、配信は11月19日に予定されている。

ネットフリックスによるドラマ概要

ネットフリックスによると、このドラマシリーズは「実際の詐欺事件に着想を得た、有毒な愛の物語」だ。全8話の限定シリーズで、11月19日に配信を始める。概要には「若く理想に燃え、突然巨万の富を手にした彼らは、善行をしようと試みたものの、互いの中にある最悪な部分を引き出し合ってしまうことに」とある。

ドラマの共同ショーランナー兼脚本家のジャクリーン・ホイト(Jacqueline Hoyt)氏は、次のようにコメントしている。

行動の背景に道徳的な葛藤を抱えた二人の、親密な物語に視聴者は魅了されるだろう。また、最終的に彼らがなぜあのような行動をとったのか、より深く理解できるようになると思う。

バンクマン=フリード氏は懲役25年を言い渡されており、連邦刑務所で服役中だ。先日、最高裁に判決見直しを申し立てている。エリソン氏は検察に協力して証言しており、懲役2年の刑のうち14か月を服役した後、2026年1月に釈放された。

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FTX創業者・前CEOのサム・バンクマン=フリード氏が有罪判決の見直しを米最高裁に申し立てた。元顧客への返済が行われたことなどを改めて論拠にしている。