• カルシ、報道官指名の不審な取引を調査
  • 確率1%の賭けが的中、約55倍の見込み

確率1%の賭け

米大手予測市場「Kalshi(カルシ)」は、トランプ大統領が新たなホワイトハウス報道官を発表する直前に行われた不審な取引について、調査を開始した。米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙が9日に報じた。

調査の対象は、ケイティ・ザカリア氏が次期報道官に指名されると予想した複数のポジションだ。WSJが公開取引データを分析したところ、主要メディアが同氏の起用を報じる前に、以下の取引が行われていた。

  • 10月8日(木)午後10時42〜43分頃(東部時間): 約19ドルのポジション ( 的中時の受け取り額は約1,896ドル)
  • 10月9日(金)午後1時41分頃:約74ドルと約80ドルの2件 ( 的中時の受け取り額はそれぞれ約3,689ドル、約4,023ドル)

投じた金額は合計は約173ドルだが、受け取り額の合計は約9,600ドルとなる見込みで、倍率は約55倍にのぼる。金曜日の2件の取引は、主要メディアが指名を報じ始めた午後2時頃のわずか20分前に行われていた。

ザカリア氏は保守系コメンテーターで、「トゥルース・ソーシャル」を運営するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループの上級コミュニケーション顧問を務める。共和党全国委員会のインターンやブッシュ政権下でのホワイトハウス勤務、国土安全保障省(DHS)での広報職などを経験している。ただし指名直前まで有力候補とは見られておらず、カルシ上で同氏が選ばれる確率は約1%だった。

カルシの「Yes」契約は、予想が当たれば1口あたり1ドルが支払われる。確率1%の段階では非常に安価に購入できるため、的中した場合には大きな利益になる。

カルシの広報担当者はWSJに調査中であることを認めたが、詳細についての言及は避けた。ホワイトハウスも取材にコメントしていない。

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インサイダー取引への対応

カルシは、米商品先物取引委員会(CFTC)の管轄下にある「指定契約市場(DCM)」であり、全ユーザーに対して厳格な本人確認(KYC)を義務付けている。取引データは匿名で表示されるが、同社は口座情報を保持しているため、不審な取引を追跡可能だ。

同社では、インサイダー取引への対策を強化している。今年6月には、各市場の不法行為のリスクを数値化する「リスクスコア制」を導入した。リスクが高いと判断された市場では、参加者に雇用情報の事前開示を求める。内部告発の仕組みも拡充している。

実際に処分の事例も出ている。CFTCは今年8月、カルシ上でインサイダー取引を行った元ホワイトハウスのプロンプター操作員、ガブリエル・ペレス氏に対し、不当利益10万7,539ドルの返還と6万5,000ドルの民事制裁金の支払いを命じた。同氏はトランプ大統領の演説原稿を事前に入手できる立場を利用し、発言内容に関する市場で取引していた。

同じく8月に、カルシはジョージ・サントス元下院議員を永久追放とし、約7万1,000ドルの罰金を科した。一般教書演説への出席をめぐる市場で不適切な取引をしたことが理由だ。サントス氏は7月、同じ取引についてCFTCと和解し、約3万5,000ドルを支払うことで合意していたが、当局の認定については肯定も否定もしていない。

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