- 現行の仮想資産利用者保護法では禁止、第2段階立法で検討の見通し
- 取引所の公的規制への移行と大株主規制の強化も示す
第2段階立法で導入を検討
韓国金融委員会のユ・ヨンジュン デジタル金融政策官は28日、ソウルで開かれたカンファレンス「The Bridge Summit 2026」に登壇し、仮想通貨市場へのマーケットメイク制度の導入を検討する考えを示した。韓国メディアのデジタルアセットが報じた。
同氏は「デジタル資産市場の効率性と安定性を高めるため、マーケットメイク行為などの制度導入の必要性も検討する予定だ」と述べた。マーケットメイクは現行の仮想資産利用者保護法で禁止されている。金融委は、仮想通貨法制の第2段階となる立法の中で許容の是非を議論するとみられる。
マーケットメイクとは、専門の事業者が売りと買いの注文を継続的に出し、取引を成立しやすくする仕組みを指す。流動性を供給して価格の急変動を和らげる役割があり、株式市場では広く採用されている。
韓国政府は仮想通貨の譲渡・貸与益への課税を2027年1月から予定通り開始する方針を示した。損失の繰越控除は認められず、投資家の国内離れが懸念されている。
取引所の規律は公的規制へ
取引所については、注文の突き合わせ、上場(取引支援)、取引監視といった中核機能を自主規制から公的規制の枠組みへ移す方向性を示した。大株主や経営陣に対するガバナンス要件の強化と、利益相反を管理する体制の整備も盛り込まれる見込みだという。
公的規律への移行が必要な例として同氏が挙げたのは、アップビットでのJPYC上場に伴う価格の急変動だ。円建ての電子決済手段型ステーブルコインであるJPYCは、17日の日本時間18時前後にアップビットで取引が始まり、同日中に一時0.02145ドル(約3.32円)を付けた。想定される1円の3倍を超える水準だ。
価格は翌18日昼には約1.01円まで戻った。発行元のJPYC社は上場後も1JPYC=1円での償還を続けている。流通量は上場前後で約23.6億円分増え、18日朝までに約42.6億円相当となった。
韓国メディアは、上場から5日間で約2万1,000人が、為替レートより10%以上割高な価格でJPYCを購入したと報じている。同氏は「JPYC上場に伴う価格急騰で利用者被害が生じたとの指摘もあり、こうした部分への規律を求める声が高まっている」と述べた。
電子決済手段型ステーブルコインのJPYCが韓国アップビットに上場し、二次流通市場で想定1円から一時乖離した。入出金対応はイーサリアムのみで、発行予約は一時停止後に復旧した。
デジタル資産基本法の制定で想定される変化として、同氏は国内での仮想通貨発行と開示制度の整備を挙げた。ウォン建てステーブルコインの導入や、事業者に対する届出制から許可制への移行にも触れた。