- 開発者に使いやすいプラットフォームへ
- CAP-83はコンセンサス処理を高速化
開発者に重点を置いたアップグレード
暗号資産(仮想通貨)ステラ(XLM)の開発・普及を主導するステラ開発財団(SDF)は17日、新プロトコルアップグレード「アダプター(Adapter)」(Protocol 28)をメインネットでローンチしたと発表した。
開発者向けの改善が中心で、コンセンサス処理の高速化も含まれる大型アップデートとなる。幾つかのCAP(コアプロトコル改善提案)が実装されたが、目玉の一つがCAP-83だ。
ステラでは、ネットワーク上のバリデータが、数秒ごとに次のレジャーについて合意を形成している。これまでは、バリデータが処理を進める前に各レジャーに組み込むトランザクション(取引)セット全体を受け取る必要があり、ネットワーク全体でそれらのセットを共有するのに時間がかかっていた。
ステラでは、数秒ごとに行われる合意形成のプロセスごとに新しい「レジャー」が作成され、過去のレジャーと暗号学的に鎖状につながっていく。ビットコインの「ブロック」に似た概念だ。アカウントの残高、流動性プール、スマートコントラクトのデータなどを記録する。
CAP-83は、バリデータが取引セットの完全受信を待たずに投票を開始できるようにするものだ。また、遅延や無効な取引セットを破棄するための明確で適切な仕組みも追加され、混雑時のスループット(一定の時間内に処理できる作業量・データ)向上が期待される。
ネットワークの規模が拡大しても低コストかつ円滑な稼働を維持するための仕組みである。
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スマートコントラクトの一括更新など可能に
次に、CAP-85は多数展開されたスマートコントラクト群を一括更新する仕組みを導入する。多くのステラ上のアプリやサービスプロトコルは、同一のコントラクトのコピーを多数展開しており、これらはすべて同じ基盤コードを共有しているところだ。
この共有コードをアップグレードする必要がある場合、管理者は各インスタンスを一つずつ更新しなければならない。多数のコントラクトを運用している場合は、これを一度の取引で処理することは不可能であるため、一部のコントラクトは古いコードのまま動作するという「過渡期」が生じてしまっていた。
CAP-85では、共有コード参照を更新するだけで、全ての契約が同時に更新され、部分的な不整合のリスクを排除できる。
CAP-86はコントラクトの更新やデータ移行を容易にする新機能だ。不足しているフィールドや余分なフィールドがあってもエラーにせず、適切に処理する新しい「スパース(sparse)」ホスト関数が追加される。
コントラクトのデータ構造を変更(フィールドの追加・削除)したいとき、新旧のデータ形式が一時的に混在してもエラーにならない仕組みを提供するものであり、開発者はスキーマ変更を安全に進められるようになった。ステラ開発財団は次のようにコメントした。
これらの改善により、今回の変更は近年のプロトコル・アップグレードにおける一貫したテーマを継承するものとなる。
つまり、ネットワークの特長である「高速性」と「低コスト」を損なうことなく、ステラを実用的な金融アプリケーションに適した、より高性能かつ開発者にとって使いやすいプラットフォームへと進化させることだ。
なお最近のステラの利用事例としては、国際送金大手マネーグラムが独自の米ドル建てステーブルコイン「MGUSD」でステラのブロックチェーンを採用したものがある。
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