• 差止め対象は0.2%の仮想通貨取引税、施行は2027年1月
  • 州の想定税収は約92億円、係争中は支出不可と反論

差止め申立ての経緯と主張

ブロックチェーン・アソシエーション(Blockchain Association、BA)とクリプト・カウンシル・フォー・イノベーション(Crypto Council for Innovation、CCI)は9日、イリノイ州サンガモン郡巡回裁判所に予備的差止命令を申し立てた。同州の「デジタル資産税法(Digital Asset Tax Act)」が2027年1月1日に施行される前に、その執行を差し止めるよう求めている。

両団体は申立ての中で、企業側が明確な指針のないまま刑事罰の脅威下で対応を迫られ、「回復不能な損害」を被っていると主張した。

ドイツの財務省が仮想通貨の税制改革案をまとめた。保有期間にかかわらず売却益を課税対象とし、2027年施行、28年から自動源泉徴収を始める方針で、長期保有者の税負担が変化する見通しだ。

訴訟の背景と規制の広がり

デジタル資産税法は、イリノイ州が2027会計年度予算の一環として6月に成立させた州法で、仮想通貨の取引に0.2%の税を課す内容。BAとCCIは8月、同法が米国憲法や州憲法、インターネット税免除法(Internet Tax Freedom Act)に違反するとして、すでに提訴していた。今回の申立ては、この訴訟に付随する形で提出されている。

CCIのジ・フン・キムCEOは、「基本的な課税範囲すら明確でないまま、企業は違憲的な税のためにシステム構築へ数百万ドルを費やすことを求められている」とコメントした。

BAのサマー・マーシンジャーCEOは、州が同税から見込む税収は約6,000万ドル(約92.4億円、1ドル=154円換算)にとどまる一方、抗議金保護法(Protest Monies Act)により係争中は同税収を実際には支出できない可能性が高いと指摘した。その上で、州が待つことによる損失はわずかである一方、このまま施行に踏み切れば他州も追随しかねないとの見方を示した。

暗号資産の税率が最大約55%から20%程度に引き下げられる見通し。2026年に法律成立、適用は2028年以降の見込み。現行制度との違い・損益通算・対象範囲をわかりやすく解説。