ビットコイントレジャリーの先へ DeepPoint始動|WebX2026

2026年7月13日、東京で開催されたWebX2026のVisionaryステージで、株式会社リミックスポイント取締役の原田浩志氏が「Remixpoint Pitch」に登壇した。ビットコイン保有で知られる同社が次に仕掛ける事業、ディープテック特化型メディア兼成長プラットフォーム「DeepPoint」の全容が初めて明かされた。

公認会計士・税理士。あずさ監査法人で11年間、上場企業監査や内部統制に従事。ジャスミー㈱CFOとして独自暗号資産のCoinbase・Binance等への上場を主導。2026年6月、㈱リミックスポイント取締役に就任。デジタルアセットマネジメント事業を管掌予定。

BTCトレジャリー戦略と「その先」というミッション

リミックスポイントはエネルギー・蓄電池事業を本業としながら、WebX2026においてはビットコインを財務戦略として保有するトレジャリー企業として強く認知されていた。2026年7月時点で1,501BTCを保有し、上場企業として積極的に財務戦略へ組み込んでいる。売上高は200億円規模で、既存事業から継続的に利益を創出しながら戦略的にビットコインを保有してきた点が、他のトレジャリー企業と異なる部分だと原田氏は強調した。

「単なるトレジャリー企業とは別に、きちんと利益を出す形で戦略的にビットコインを持つ。そこに財務戦略を入れることが元々のベースだった」

原田氏が2026年6月に取締役に就任した使命は、そのトレジャリー戦略の先にある事業を切り拓くことだという。答えは一つではない、と同氏は述べ、複数の新規事業に挑戦しながらその問いに向き合い続けると宣言した。ピッチはその第1弾の発表の場となった。

ディープテック市場の現状と日本の課題

DeepPointが対象とするのは、科学的な研究成果や技術革新を事業の核に据えた「ディープテック」領域だ。原田氏はこれを「文明を変革し、社会の前提を書き換える技術」と定義した。AI・ロボティクス・量子コンピューター・半導体・ヘルスケア・核融合・宇宙など幅広い分野がここに含まれる。原田氏によると、政府はAI・先端ロボット・量子・半導体通信・核融合・宇宙の6分野を国家戦略技術として指定しており、政策面でも強力な後押しが始まっている。

「どの企業もすごくいい技術を持っている。ただ投資が足りない。そして情報のギャップがある」

市場規模は年率16%以上での成長が見込まれているとされるが、日本のディープテック企業が直面する課題は三つある、と原田氏は整理した。第一に投資不足。第二に企業内に閉じた一次情報を投資家やパートナーへ橋渡しする仕組みがないこと。第三に、この領域に特化して技術や創業者の背景を深く掘り下げるメディアが存在しないこと。DeepPointはこの三つの欠落を埋める事業として設計されている。

補足:原田氏はFeliCaの特許を持つソニーの技術者が現在、電力の分散化・セキュリティ技術に取り組んでいる事例を紹介し、「みんなが知っているようで深層まで掘られていない技術が日本にはまだある」と語った。DeepPointはWebX2026当日にプレリリースを行い、40〜50本の記事を公開した。

DeepPointが描く「情報から行動へ」のプラットフォーム構想

DeepPointはディープテック企業の成長を加速させる場と定義され、「Connecting Technology, Capital and Business」を掲げる。メディアとしての情報発信を起点に、企業・投資家・読者をつなぐコミュニティを形成し、最終的には出資・M&A・資金調達・補助金支援まで手がけるプラットフォームへと発展させる構想だ。

「単に情報を出すだけではなく、行動までつなげるようなメディアにしていきたい。その記事を読んだ後に、あなたはどう行動しますかという問いこそが価値だ」

Web3との接続も設計段階にある。気に入った記事や書き手を応援することでトークンを獲得できる仕組みの導入を検討しており、そのトークンを事業機会や投資案件と連動させる未来像を描いている。投資分野では上場企業の日本アジア投資(JAIC)をパートナーとして迎え、案件発掘・企業紹介・投資実行・データベース整備を連携して進めていく方針だ。KPIとして「月間100万PV」「3年以内に年間1億円の収益と30件の投資案件創出」を掲げた原田氏は、最後をこう締めくくった。

「企業価値、株価、会社としてのバリューにコミットしていきたい。新しい価値を作ることに特化していく」